平成２４年度鯱の会会長を勤めさせて頂きます田中清貴でございます。
　「鯱の会」は名古屋商工会議所若鯱会を卒業したメンバーで構成され、今年で２４年目を迎えます。会員数は１２０名を超え、年に数回開催されます「定例会」と「交流会」は、ますます盛況になっています。
　50歳から70歳代の全会員が満足して頂けるよう、役員一同企画運営していきたいと思います。何卒宜しくご協力の程、お願い申し上げます。

　昨年、東北地方を襲った大震災で甚大な被害が出ました。多数の犠牲者と多くの物が壊され、失いました。しかしその中で人の心は強く結びつき、人を思いやる心が「絆」として見直されるようになりました。

　震災直後、整然と並んで物資の配給を受ける被災者。年寄りや子供を優先させ、体の弱い人に先をゆずる。こんな光景が世界に配信され、日本人の心のすばらしさに世界の人々から絶賛の言葉を頂きました。

　 ”鯱の会”今年度テーマを、”After you　お先にどうぞ” にさせて頂きます。日本語には「敬語」という言葉遣いが有り、相手を立てる表現を簡単に言うことが出来ます。「先に行け」と言うところを敬語に直して”お先にどうぞ”と言うだけで単に道をゆずる意味だけでなく、相手を尊重し、立てていることも自然に伝わります。英語ではこの「敬語」はありません。しかし「敬語的表現」はあります。相手に先をゆずる言葉 ”After you please” がそれです。

　現代社会は、他人よりも一歩でも先に出る事が勝利をもたらす自由競争の社会です。自由競争が悪いわけではありません。しかし日常生活にまでこれを持ち込むと人生はギスギスし、勝てば尊大になり、負ければ卑屈になります。 相手に先をゆずる気持ちが心の余裕を生みます。余裕があれば、自分にとって本当に大切なもの、守らなければならないものが見えてきます。

　今年度は”鯱の会”のみならず、いろんな場面で ”人を先に、自分を後にする” 心の余裕を作る言葉、”After you　お先にどうぞ” という挨拶を使ってみては如何でしょう。爽やかな気持ちになれるばかりでなく、豊かな人生を送ることにつながっていくと思います。