会長挨拶

「守破離」新時代の第一歩を踏みしめるサロン

令和二年度会長 棚橋 顯

 名古屋商工会議所鯱の会は平成元年に創設され、昨年は平成から令和へと新しい時代に突入し、令和2年、西暦2020年である今年は会員数が200名になろうとしています。

 「人生100年時代」を迎えようとしている今、鯱の会は50歳で新たに入会された会員から80歳を越える大先輩までが、仲間として「互譲互助」の精神でつながる魅力ある会として明日に向って繋いでいきます。

 「互譲互助」とは、私が社会人としてスタートを切った出光興産の創業者、出光佐三がよく言っていた言葉で、お互いに譲り合い、お互いに助け合う、お互いの立場を考え尊重するという日本人が古くから大切にしてきた「お互い」からできている和の精神です。

 自分たちの利益ばかりを追求するのではなく、世のため人のためにことを成す。そうした日本人らしさを心に、これから私たちに何ができるのかを皆で考え、学び、和気あいあいと交流する。そういう場に鯱の会をしていきたいと思います。

 出光佐三の臨終の日の床の間には、彼が恋して、書画を収集し続けた江戸時代後期の禅僧・仙崖義梵(せんがいぎぼん)の作品「双鶴画賛(そうかくがさん)」が掛かっており、二羽の鶴が伸びやかに描かれた絵の余白には「鶴ハ千年 亀ハ万年 我れハ天年」と書き添えてありました。

 「天年」とは無理に長寿を求めず、天から授かった命に感謝し、限りある命だからこそ存分に生き抜こうという意味です。命も有限、動ける時間はもっと有限、学べる時間も。

 私たちも心身ともに健やかに、「互譲互助」の精神で、立ち止まらずに歩いていきましょう。


名古屋商工会議所鯱の会
令和二年度会長

棚橋 顯